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伊豆グルメ でぶりんこひーちゃんの夜食講座
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■ クレソン・デ・シーチキン
レシピ/
  • ツナ缶(小)
  • タマネギ一個
  • ジャガイモ(中)一個
  • 生シイタケ一個
  • クレソン少々
  • 塩・胡椒・マヨネーズ

静岡県人が特にツナ缶を好きというわけじゃないが、実はツナ缶は静岡の特産品だ。それも、はごろも缶詰が圧倒的に強くて一時はツナ缶市場のシェア80%を占めていた。今は減ったが、それでも業界トップの40%。どこよりも強い。ちなみにシーチキンというのははごろも缶詰の商標で、最近ではシーチキンでつちかった技術でキャットフード市場において高い評価を得ているらしい。猫は魚の専門家だからね。猫の言うことを聞いていれば間違いない。

世界中、あちこちで獲れたマグロやカツオは焼津・清水で荷揚げされる。そして缶詰やキャットフードに加工されて再び世界中に輸出されるわけだが、その際、通称「カマ」と呼ばれる部分が副産物として発生する。おいらは、その「カマ」を市場で安く仕入れては、ジワジワと照り焼きにして食ったりするのが好きなんだが、それはさておき。

マグロを蒸してサラダ油に漬けただけの食い物なので、どこのでも同じようなもんだと思いがちだが、ツナ缶フリークに言わせると外国製の安いのはダメだそうだ。処理の方法とか油の質が違うんだろう。外国で料理の下手そうな店でメシを食わなきゃならない場合、無難なところでツナサラダとか食ったりするんだが、妙にバサバサしたツナ缶も存在するのだ。とりあえず日本製のちゃんとしたツナ缶だったら、マヨネーズ乗っけて熱いご飯でハフハフ食うだけでおいしい。パンにも合うのでサンドイッチもおいしい。でもまあ、そんな手抜きばかりでは可哀想なのでたまにはちゃんと料理してみるか。幸いなことに元から油に浸かっているのでそれを使えば良い。せっかくの油を捨ててしまうのはもったいない。あり合わせの野菜漁って玉葱とジャガイモ発見。日持ちするので、これはいつでもどっかに転がってるね。あと、野菜炒めするんだったら生シイタケがあるとシアワセだ。

残り物とツナ缶だけでは寂しいので、今回はクレソンなんぞあしらってみた。これもまた静岡というか、伊豆の隠れた名産品だ。天下の名水、柿田川へ行くと川の中で何やら栽培しているのが見られると思うが、実はあれがクレソンだ。柿田川は江戸時代に大きく沈んだという話があって、川の中に民有地があったりする。普通は川の中の土地なんていうのは国有地なんだが。川なんか持っていてもしょうがないので、地主がクレソン業者に貸してるらしい。実際に栽培しているのは地元の人ではなく、どこか遠くから来る。車を柿田川沿いのおいらの土地に停めて仕事してるもんで文句言ったら、そこのクレソンはいつでも好きなだけ取っても良い、という話になった。たまに大量に貰って、おひたしにして食ったりする。贅沢なもんだ。都会の人はクレソンなんてステーキの上にひとカケラだけ麗々しく乗っかっているもんだと思ってるんだろうな。

もともと山葵栽培なんぞやってるくらいだから、伊豆半島だったらクレソンはあちこちで栽培できる。「切った茎を水に漬けておけば根が出てくる」と言われるほど頑強な植物なので、上野不忍池をはじめ、各地で雑草化してるそうだ。最近では136号線の「村の駅」とか中伊豆の「農の駅」とかでたまに見かける。ひとパック100円程度なので高いものではない。ほのかな苦みはステーキばかりじゃなくサラダにも似合うので、もっと普及して欲しいね。伊豆半島の新しい特産品になる可能性がある。

調理は簡単すぎるほど簡単だ。タマネギとジャガイモとシイタケは短冊に切って、ツナ缶の油で炒める。味付けは定番で塩胡椒。透明になってきたらクレソン投入。葉物はすぐに火が通る。ここら辺の手順は大事だ。しんなりしてきたら全体にマヨネーズをからめるように混ぜ込んで、焦げないうちに火を止める。すべて食材は「最適な火の通り加減」というのがある。バンコクで食った一流店の中華は絶品だったね。レタスと海老のシャキシャキ感とプリプリ感が芸術だった。ここでも、生では食えないジャガイモにちゃんと熱を加えつつ、タマネギに適度な甘みを与えつつ、ツナとシイタケの旨味を最大限に引き出すべきだ。その、絶妙のタイミングというのが世の中には存在するわけで、まあ、缶詰の油をそのまま利用する程度の簡単料理だけどがんばれ。コツはなるべく強い火で性急に調理すること。焦げ付くのを恐れて弱火でのんびりやってると、煮物みたいにベチャベチャになったりするからね。